水野谷鶏卵店 ~黒鶏の卵~

黒鶏の卵。食べたことはありますか?

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見た目は赤玉卵。中身はプルンと膨らんだ、オレンジ色に近い黄身。

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黒鶏は、“ネラ”というオランダ原産地の品種で、非常に野性的で、日本古来のキジの交配ともいわれています。

その味は、深いコクのなかにほのかに自然の甘みを感じます。

国内で飼育されている場所は珍しく、口にする機会は少ないかもしれませんが、福島県内でこの味を楽しむことができる場所があります。

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“農場・直売所 MIZUNOYA EGG FARM & SHOP”

水野谷鶏卵店さん。直売所は2014年7月にオープンしたばかりです。

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お話は、有限会社 水野谷鶏卵店 代表の、水野谷 薫さんにお伺いしました。

水野谷さんは、自分の代から卵を作り始めて、50年。

「人に使われるのが嫌いで、自分でやってみたいという想いはあったけど、『何をやっぺ~』て時に、自分のおじいちゃんが、『鶏も結構いいぞ。やってみたらいがっぺ』。て言って。昔はどこでも庭で50~100羽ぐらいは鶏を飼っていたからね。それで鶏をやろうと決めて。」

福島県立岩瀬農業高等学校の農業科を卒業したあと、横浜の養鶏所に1年間研修に行きました。

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木造の鶏舎も、使い始めて50年。

研修から帰ってきて鶏舎を建て、2棟は取り壊しましたが、その他の鶏舎は、そのままの姿で今も使われています。木造の小さな鶏舎で、機械化されておらず、今でも毎朝、手で卵を集めるそうです。

「今は6500羽ぐらい飼っていて、そのうち7割が卵を産むから、1回の集卵で4600個ぐらいかな。毎日4、5人で作業していますよ。」

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鶏舎の中から聞こえてくる、黒鶏たちの元気な鳴き声。水野谷さんのこだわりは何でしょう?

「エサは、木酢液、海藻、ヨモギなどを含んだ、特別に作ってもらったものを与えています。あとは、水をずっときれいなものを与えていることです。モーターをずっと回しているので、貯め水じゃなくて、新鮮な水をあげられる。水は地下水だから、夏でも冷たくて美味しい。牛の乳も、与える水で違ってくるというよね?それと同じだと思う。」

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現在はすべて黒鶏を飼っていますが、開業当初は、一般的な鶏を飼っていたそうです。

「昔は卵屋さんに卸していたんだけど、『いい卵なんだから、直接売ったほうが高く売れるよ』。と言ってくれる人がいて、自分でバイクでまわって、直接売るようになった。」

直売を始め、評判が良くなり、卵が足りなくなり、また鶏を増やして、生産して、売るようにして。とすべて自分たちでやるようになっていきました。

「当時は卵の単価が安かった。1個10円とか。それで、高く売るにはどうしたらいいだろうと考えました。ブランド卵にしなければ。って。」

そんな時にネラという黒鳥の存在を知ったそうです。

「試してみると、やっぱり卵が美味しい。それがまた評判を呼んで、メディアにも取り上げてもらえるようになった。」

ネラを飼って20年近くが経ちます。

「何の事業もそうだけれど、商売をするのは年数、時間が必要ですね。ここまで軌道に乗って、お客さんがついて来れると、また面白くなってきますよね。」と言う水野谷さん。

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直売所を作り、卵の直売だけでなく、ソフトクリームやクッキー、バウムクーヘンや、黒鶏の鶏肉や、焼き鳥やソーセージに加工したものなどを販売しています。

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自分の店にひとつひとつ増やして、いろいろ並べていきたいという水野谷さん。「ソフトクリーム目当てや、焼き鳥目当てで来てくれたお客さんが、じゃあ今日はこれも買っていくか。と、目的以外のものを買ってくれることもありますよね。みんなそれぞれに目的のある常連さんが来てくれると嬉しいです。」

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黒鶏のお肉は、卵を産むという仕事を終えた親鳥のお肉なので、ブロイラーの柔らかい肉質とは違い、程よい固さがあり、噛めば噛むほどコクがあります。

「ソーセージも焼き鳥も、評判がよく、特に焼き鳥にはお得意さんがいて、1回で100本ぐらい買って帰りましたね。お客さんが来たときに、いつでも出せるように。って。」

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そして、学校帰りの学生さんが気軽に食べに来るという、ソフトクリーム。

北海道の生乳と、黒鶏卵の黄身だけを使ったクリームで、濃厚なカスタードのようなお味は、よそでは食べることができません。

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最後に、ちょっとしたエピソードをお話してくださいました。

「いつもうちが卸している売店で、たまたまうちの卵が売り切れていて、他の卵を買って帰った方が、孫から、『この卵、水野谷さんの卵じゃないでしょ。』って、気づかれたそうなんです。『そんなわかるの?』と聞くと、『味が全然違うんだもの!』って。あー嘘はつけないな。って、思いましたね。」

「こんな遠くまで買いに来なくてもいいのに、わざわざこっちまで卵を飼いに来てくれる人もいる。うちの卵のおいしさをわかってくれる人が来てくれる。私はそこに責任を持たなきゃね。『美味しい卵をつくる』って。」

『自分の生産したものを自分で売る。良いものを作る。』ことが、何よりもの基本だということを教えてくれた、水野谷さん。

ぜひ一度お立ち寄りいただきたい、卵の直売所です。

 

 

 

 

写真:青砥、稲葉  文:稲葉

データ

有限会社 水野谷鶏卵店
〒961- 0102 福島県西白河郡中島村滑津新田24
TEL  0248-52-2530  FAX 0248-52-2385
HP  www.mizunoya-keiran.com/

 

2015-12-05 | Posted in Blog, 生産者紹介 

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